20代の働く女性の間で、今人気のファッションが「東京エレガンス系」。
「上品なかわいさと、女っぽさも忘れなずセクシーに」という装いなのだが、女性はいつの時代にも「上品なかわいらしさ」というのに惹かれるもののようだ。
「プロポーションボディドレッシング」というブランドをご存じだろうか。
抑えめの色遣い、シンプルなシルエットの中にも、柔らかで品のよさを融合させたデザインが、プロポーションボディドレッシングの特徴だ。
プロポーションボディドレッシングのコレクションは一目でブランドを判読できるような強烈な個性はなく、控えめな女らしさが、ドレスの裾や袖からすこしずつ漂うような穏やかさが基調にある。
歩道ですれ違った女性をしばらくしてから振り返りプロポーションボディドレッシングと気づく。そんな緩やかな個性がプロポーションボディドレッシングのデザインの根底にある。
このプロポーションボディドレッシングこそ、今トレンドと言われる「東京エレガンス系」で代表的と言われるブランドなのだ。
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20代前半を中心に愛好者が多い人気ブランド、プロポーションボディドレッシングは、同じく東京エレガンス系のトレンドウェーブに乗った「ル・スーク」とともに売り上げを伸ばしてきた。
プロポーションボディドレッシングの人気を支えているのは、「東京エレガンス系」ブームにあるといえるが、このブームを巻き起こしたのは、20代の女性たちに根強い人気を誇るファッション誌「CanCam」(小学館)。
CanCamには宿命のライバル誌「JJ」(光文社)が存在するが、JJ提案の「神戸系」の服が既にヒットしていた状況で、神戸系に対抗して「東京エレガンス系」が提示され、呼応するようにプロポーションボディドレッシングやル・スークは急進してきた。
プロポーションボディドレッシングはその製品デザインを一通り眺めてみれば理解できるとおりで、上品・繊細で落ち着いた基調の反面、アドベント(冒険)はない。ピンク、ホワイトといったやわらかなでフェミニンな色遣いがプロポーションボディドレッシングの身上だ。
一方、神戸系は巻髪、花柄ワンピといった出で立ちが基調で、これも「女」を印象づけるファッションといえ、両者には手法の違いがある。しかし手法は異なってもプロポーションボディドレッシングも神戸系も「女性ファッション=フィメールの強調」という同じテーマが感じられる。
プロポーションボディドレッシングの表現する「東京エレガンス系」も、ライバルムーブメント「神戸系」も、支持者の多くは自由と自己表現を何より求めた70年代以降20世紀末の女性たちとはまったく異なる。
自由に考え、自由に行動した時代の女性たちはファッションも生き方そのものを表し、ミニスカートやジーンズパンツなどの既成概念の破壊が底流にあった、またバブル期にはボディーコンシャスが流行したが、こちらも視点を変えれば、既成環境への反発が感じられるが、プロポーションボディドレッシングにはそういった思想的な背景はなさそうだ。
東京エレガンス系(プロポーションボディドレッシング)の特徴は、上品な配色、きちんとした一種スクエアな装いにあり、背後には「ファッションの保守化」が存在している。
ファッションは冒険であり、自己主張でありたいと考える人も多いものだが、プロポーションボディドレッシングは女性らしさの追求の中、先鋭的な感性をあえて捨てているようだ。
一方、プロポーションドレッシングのデザインが女性の魅力を引き出すことに成功しているのは間違いなく、洋服としてのプローポーションドレッシングの魅力は十分といえよう。
ファッションはいつも時代の裏返しの部分があるものだが、プロポーションボディドレッシングのデザインも時代背景を振り返りつつ眺めてみると、そのデザインが受け入れられる理由が理解できるような気がする。